獅子に襲われた鉱夫とかがみ岩
どんな伝承か
築沢の奥に大きな岩が二つ並んでいる。雄の獅子が大口を開け、そのそばで雌の獅子が頭を垂れた姿だという。近くには鉱山があり、酒に酔った鉱夫が雄の獅子の下顎をツルハシで殴りつけたところ、鮮血がほとばしり、岩はたちまち獅子となって襲いかかってきた。鉱夫が岩によじ登って陰に身を隠すと、前に立った獅子は岩に映った自分の姿を別の獅子と見誤り、そのまま立ち去ったという。鉱山が栄えて遊女屋の並ぶ不夜城のようだったころ、苛酷な勤めに耐えかねて逃げた遊女が、この岩にかがんで追手をやり過ごし、無事に里へ帰れたことから、この名がついたという説もある。
原典より
築沢の奥に二つの大きな岩があって、雄の獅子が大きな口を開けているそばに雌の獅子が頭をたれている姿だという。—— 米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。