慈覚大師が開いた奇岩の山
どんな伝承か
上郷の上海上坂を登りきると、谷あいの流れに沿って上海上の家々が点々と続いているのが見える。坂が下りにかかると、行く手に岩山の一念峰が現れる。標高はおよそ四百五十メートル、凝灰岩でできていて、風に削られた奇岩がところどころにそそり立つ珍しい形の山である。頂に立てば置賜盆地が手に取るように見渡せた。小さな祠の跡らしい場所があり、そこには高さ二尺ほど、直径一尺ほどの鐘がぶら下がっている。慈覚大師が開いた山だと言い伝えられている。
原典より
上郷の上海上坂を登りつめると、谷間の流れに沿って上海上の家々が点在しているのが見える。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。