開通前の汽車が衝突する社
どんな伝承か
露藤の白髭神社には種々の言い伝えがある。奥羽線敷設の折、境内付近に駅が新設されるというので大勢の土方が入り、神殿を荒らした。ある晩、境内に泊まった土方たちは風もないのに轟く音に驚き、音のする方を見ると白髭明神の尊体が金色に輝いていたという。また別の夜には、米沢の方と糠野目の方から汽車が走ってきて社前で大衝突し、天地も崩れるような響きがしたが、まだ開通前のことであった。境内南の奥の院沼を炊事に使って汚したところ、箕のような大亀が浮かび、また一丈もある白蛇が泳ぎ寄ってきたともいう。露藤の安部彌輔の祖父善兵工が語った話である。
原典より
露藤に白髭神社がありますが、種々な云い伝えがあります。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。