下仁田の稲荷が残す飯粒
どんな伝承か
下仁田の稲荷は狐を祀る社で、上野村の部落からは四月七日ごろになると講を立てて参った。オーサキ上げといって、へぎに包んだ飯を供え、何粒か残しておいてくれと頼むと、そのとおりに残っているという。別の聞き取りでも、この稲荷の白狐がいるという焚き上げの場所には、たったいま来たばかりのような濡れた跡が残り、赤飯を供えて幾粒残しておけと言えば、言ったとおりの数を残してくれると語られる。
原典より
オーサキ上げといって飯をヘギに包んで上げ、何粒か残せというと残っている。—— 群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異(群馬県民俗調査報告書 第2集・群馬県民俗調査報告書)
『群馬県多野郡上野村の民俗 上――俗信・山の怪異』は、上野村で行われた民俗調査の報告のうち、聞書と俗信の部分を収めたものである。川和・住居附・野栗・奥名郷・勝山・野栗沢などで聞いた講、病気の呪い、雨乞い、禁忌と兆、山の神とオコジョ、オサキや狐つき、狐やむじなに化かされた話、一ツ目入道や山姥を、話者や部落名を添えて記す。上野勇の聞書と、昭和二十三年に東部の部落を調べた関口正の報告が入り、井田安雄の「乙父の民俗」は書き出しだけが載る。