オーサキ(その二)
どんな伝承か
入間郡日高町地方(現・日高市)に伝わる。オーサキ狐は大変に欲が深く、時には人をうらやんで喰い殺したり、まどわしたりしたという。オーサキのいる家を「オーサキ家」といい、縁談の際にはとくにオーサキ家であるかどうかを調べた。あるとき、オーサキ家の主人が近所の家の麦がよくできたのをほめた。その畑には石が多かったので、ほめられた頓智のよい人が「うちでは肥料に石をしたから、このとおり麦がよくできた」と答えると、その夜オーサキは小石をすべて自分の畑へ運んでしまった。蚕をほめたら蚕を運んだという話もある。このオーサキは、元王和尚が金毛九尾の狐を退治したとき、その尾が秩父へ飛んでなったものだと伝わる。
原典より
オーサキ狐は大変に欲が深く、時には人をうらやみ喰い殺したり、まどわしたりしたという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成・昭和40年代刊(中巻・歴史伝説))
韮塚一三郎『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』(歴史伝説の巻)を全608話・伝説(土地別の異伝)単位で収録(<解説>・[参考]・和歌・注は本文に内包)。埼玉県下の歴史伝説(塚・城址・古戦場・武将〈新田義貞・畠山重忠・太田道灌ら〉・史跡・寺社縁起等)を、所在地(市町村・字・社寺)と出典(新編武蔵風土記稿・各市町村史等)を付して体系的に集成した中巻。