九之坪のオゴマ(御護摩)の火難除け御幣
どんな伝承か
個人の家を宿にして行う春祈禱がかつて九之坪にあり、これをオゴマ(御護摩)といった。御護摩を行ったセコは東西辰己、西浦、東西両家である。祭場はザシキに設け、中央に護摩壇を組み、五穀類や護摩木を供えた。師勝町鹿田の愛行院の法印が導師を勤め、火難障除を中心に祈禱した。終わりに護摩壇の柱に縛ってあった五本の御幣を宿元や厄歳の人らに配る。この御幣は家難災除の呪力があるといわれ、受けた家では一年間神棚に祀った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町が編んだ町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節を大字ごとの十九項に分けて並べ、五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。