軽井沢怪談のメディア増殖
どんな伝承か
軽井沢が観光地として発展するにつれ、雑誌やテレビで軽井沢についての記事が盛んに取り上げられるようになった。すると、それを通して話を知った地元の人々が、逆に「軽井沢の怪談」の増殖に加わっていくという現象が起きた。電話ボックスからうめき声が聞こえる、車のエンジンが原因不明で止まるといった話が次々と付け加えられ、別荘地の独特の景観の中でまことしやかに物語化されていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
軽井沢町誌 民俗編
『軽井沢町誌 民俗編』は、軽井沢町の町誌の民俗編である。この写しは「不思議な境」と題する部分で、第二節「怪異のフォークロアより」では旧軽井沢の周縁や峠に結びついた名のある狐の話、墓地の跡に建った別荘地の怪談、別荘地で道に迷う話、メディアが広めた怪談を、話者の聞き書きを引きながら論じる。続く第三節「創出された『軽井沢』」は、原野から別荘地として造られた「大自然」を論じる冒頭で切れる。