正月三日の田植初め
どんな伝承か
徳島県の川内北の農家では、正月の三日目に『田植初め』と称してカヤ(茅)を挿す習わしがあった。平年には二本、閏年には三本を挿すという。これは迷信というよりむしろ農耕儀礼に属するもので、田植えだけでなく鍬立てや肥曳初めなど、農作業の代表的な一つを正月にかたどって祝う行事は全国に広く見られる。作業の全過程のうちの一部分を取り上げて祝うことにより、その年の豊作全体が同様に約束されるという考え方が根本にある予祝の行事である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。