屋島で義経の懸勝
どんな伝承か
本書は、羽事手三密という軍略上の秘伝が説く懸勝・懸負の日の吉凶について、小泉松卓の『循環暦』が挙げた的中例を紹介する。その第一が三月十八日、屋島の浦で源義経が懸勝した例で、図表の辰を三月一日として右へ十八番目が白星にあたり、義経の勝ちと一致するという。しかし本書は、合戦に日の吉凶があるはずはなく、味方に吉の日は敵にも吉であり、松卓は的中した例だけを拾って外れた例を無視していると批判している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。