九州四国から札を請う塩釜神社
どんな伝承か
安産を望む者は神仏の加護に頼り、守札を受ける例が最も多い。願をかける対象は観音・地蔵・鎮守・太神宮・天神・水天宮などと幅広く、お産に何の関わりもない神仏も少なくないという。陸前の塩釜神社は武甕槌神・経津主神・岐神という三柱の武神を祀り、お産に縁がありそうにないにもかかわらず、その札を受けるために遙々九州や四国から出向く特志家があると記される。守護を受ける形は、守札を持つ、お札を頂く、護符を頂く、祈祷をする、お神水を頂いて飲む、といった順であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年))
『日本の俗信 2――俗信と迷信』は、迷信調査協議会が文部省への第二回報告書として編んだ答申書で、まえがきに昭和二十六年十二月の日付がある。迷信の定義や時代性、俗信と生活慣習の区別を委員たちが論じ、食い合わせや守札、憑きもの、河童の名称の分布、迷信による殺人の精神鑑定例などを取り上げる。総論と座談会、各論、結婚・妊娠の迷信の解明、新聞の社説・投書を集めた附録の四章から成る。