犬卒都婆という地名と巨岩の伝え
どんな伝承か
犬卒塔婆(犬供養)の風習は、主として関東東部から東北南部にかけて行われ、文字どおり死んだ犬を供養する場合と、安産を願う行事になっている場合があった。犬は多産でしかも産が軽いといわれ、それが安産祈願の信仰を生む一因になったと思われる。宮城県白石市白川には「犬卒都婆」の地名が残っている。仙台市の南方、東北新幹線白石蔵王駅のすぐ東のあたりで、これが犬卒塔婆にもとづくことはまず間違いあるまいと著者は言う。地内にある巨岩をイヌソトバと呼んでいて、それが地名になったとする説もあるようだが、これはおそらく地名の由来を無理に手近の巨岩信仰と結びつけたものではないかという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)