祈りでは治らぬはれ物の相談
どんな伝承か
新聞の投書欄に寄せられた相談である。投書者の兄は仙台のある専門学校に在学する熱心なキリスト教信者で、宮城県船岡町の牧師のもとへ日曜ごとに安息日を守るため通っていた。近ごろ身体にはれ物ができてなかなか治らずにいると、牧師は「神に祈って清い祈りをささげれば必ず治る」と説き、兄もその言葉を信じて両親に同意を求めてきたという。投書者は、事実とすれば科学を超えた奇跡としか考えられないとして信仰と医療の関係を問う。回答者は、医療も神の与えた恵みであり、神癒一点張りを唱える者が宗教家の中にあるのは恥だと答えた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年))
『日本の俗信 2――俗信と迷信』は、迷信調査協議会が文部省への第二回報告書として編んだ答申書で、まえがきに昭和二十六年十二月の日付がある。迷信の定義や時代性、俗信と生活慣習の区別を委員たちが論じ、食い合わせや守札、憑きもの、河童の名称の分布、迷信による殺人の精神鑑定例などを取り上げる。総論と座談会、各論、結婚・妊娠の迷信の解明、新聞の社説・投書を集めた附録の四章から成る。