如意山の天正小判と朝日夕日の歌
どんな伝承か
香川県の如意山の頂上に埋められたという天正小判を探しもとめるきっかけになったのは、古文書の「朝日夕日揚月の当たる所」という一節であった。だが伝説の世界では、この「朝日夕日……」はくせものである。ある長者が財宝を埋めたところを後の人に教えるための歌が「朝日さし 夕日かがやく樹のもとに 黄金千両 漆万杯 七つ並びに 七つ並びに」で、これがわが国の宝探し物語の中心になっている。この歌がいつの世に誰の必要があってよまれたのか、その由緒を知ることはむずかしい。ともかくこの歌が少しずつ文句を変えて、ほとんど全国にゆきわたっているのも不思議な話である。
原典より
香川県の如意山の頂上に埋められたという天正小判を探しもとめるきっかけになった古文書の一節は、「朝日夕日揚月の当たる所」という文句。—— 日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)
『日本人物語5――秘められた世界』は、日本人の暮らしの奥にある秘められた信仰や伝承を扱った叢書『日本人物語』の一冊である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使い、生霊、秘密結社、狐憑きなどを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。