城跡から掘り出された古銭五万枚
どんな伝承か
城跡をくまなく調べよ、朝日がいちばん早く差し、夕日がいちばん遅くまで残る所に七つの壺が埋まっている——四百年ものあいだそう語り継がれてきた土地から、実際に古銭がざくざくと掘り出された。場所は宮崎県西臼杵郡、熊本の阿蘇に近い五ヶ瀬町坂本の専光寺境内で、もとの城跡の中心にあたる。掘り当てられたのは壺五つ、およそ五万枚。一千年前の中国の貨幣で、一壺あたり時価百万円分と見積もられた。鉄と銅の合金で、買い手しだいで相場の見当もつかないと評する向きもあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)
『日本人物語5――秘められた世界』は、日本人の暮らしの奥にある秘められた信仰や伝承を扱った叢書『日本人物語』の一冊である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使い、生霊、秘密結社、狐憑きなどを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。