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納戸神とひそかに拝まれたキリストとマリア

所在地長崎県平戸市(中江ノ島)
年代伝承・近世〜現代
登場伝承者
出典日本人物語5――秘められた世界

どんな伝承か

徳川幕府は類族帳や寺請、五人組で信者を根絶やしにしようとしたため、キリシタンは表向きはそれと分からぬ暮らしを装って地下に潜った。数戸から十数戸の小さな組をつくり、水方と呼ぶ長が洗礼や葬式をひそかに執り行った。仏壇や荒神を表神様として祀りながら、陰ではキリストやマリアを裏神様として拝み続けた。平戸や生月の人々は、石や土壁で塗り固めた納戸に像を隠して納戸神として拝んだ。殉教者から伝わるメダルや掛物を御神体とし、多くの信者が殺された中江ノ島の岩の裂け目から湧く水を聖水として大切に用いたという。

原典より

平戸や生月(いきつき)の人たちは、石や土壁で塗りこめた納戸に、キリストの像や、マリア様を隠し、「納戸神(なんどがみ)」として拝んでいたので、納戸神信者とも呼ばれている。—— 日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)

『日本人物語5――秘められた世界』は、日本人の暮らしの奥にある秘められた信仰や伝承を扱った叢書『日本人物語』の一冊である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使い、生霊、秘密結社、狐憑きなどを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。

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