消えた如来と岩に残った数珠の跡
どんな伝承か
昔から赤谷の人たちは、河和田地区へ品物の売買に来るのに赤谷坂を越えていた。七百年の昔、赤谷の某の先祖が河和田からの帰り、如来谷の数珠岩まで登って来ると、坊さんがひとり岩の上に休んでいて「長い間お世話になりました」と言い、手にしていた数珠を岩の上に置いて下りていった。某が家に帰って仏壇に参ると、如来様が消えてなくなっていた。驚いて引き返すと坊さんの姿はなく、数珠を取り上げると岩の上に数珠の跡がついていた。以来この岩を数珠岩と呼ぶ。
原典より
昔から赤谷の人達は河和田地区に品物を売買に来るのに、この赤谷坂を越えていた。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。