宗論の果てに名号を刻んだ岩ころび
どんな伝承か
出作の三尾野寄りの山ぎわに、大きな岩がころがり出ている。以前は二つあって、一つは山から道を越えてころがり出ていた。その岩の上には筆塚が立てられていたが、近年の道路拡張のため筆塚は山ぎわの岩の上に移され、こちらの岩は割りくずされてしまった。今も残る大岩には「南无阿弥陀仏」と大字で深く刻まれ、西光寺院主の筆と伝えられる。かたわらには「天保十三甲辰年十一月上旬願主小林氏」とある。昔、法華宗徒と一向宗徒がこの岩をめぐって争い、勝った一向宗徒側が通行人に念仏を唱えさせようとして刻んだものだという。
原典より
出作の三尾野よりの山ぎわに、大岩石がころがり出ている。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。