弘法大師が杖で湧かせた五郎丸の池
どんな伝承か
五郎丸町の東中央、二箇所に池がある。浄覚寺前の池は深さ四メートルもあり、湧出量も多く水質も良い。夏は冷たく冬は暖かいので、付近一帯の各戸はとい竹を敷いて引水し永年利用し、煎茶には最上の水といわれて隣部落の定次からも汲みに来た。池の近くの地蔵堂は、この水に感謝して明治十八年に当時の若衆たちが浄財を集めて建てたものだという。いま一つ、忠左衛門宅の横の池には、干ばつの年に来た行脚僧が水を乞い、快く清水を与えた家への礼として杖で地を突き清水をわき出させたという言い伝えがあり、この僧は弘法大師だろうといわれている。
原典より
五郎丸町の東中央の二箇所に池がある。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。