夢の老人が告げたソウリ谷の青銅経筒
どんな伝承か
大正七年、今の長泉寺町の「ソウリ谷」地籍から青銅の経筒が発掘された。発掘者の堀内甚作は「大良屋」という屋号の醤油屋であったが、白髪の老人が枕辺に現われて「ソウリ谷を掘ってみよ」と告げる夢を何度も見た。そこでソウリ谷にある自分の家の桐の木畑の一隅を掘ってみると、まず経文の字が書かれた小石が沢山現われ、さらに地下四尺くらいのところから青銅の経筒が出たという。話はたちまち四方に伝わって警察署に持ち去られ、同年十一月二十五日、県を通じて東京国立博物館の所蔵となった。一字一石の小石も人々にすっかり持ち去られてしまった。
原典より
大正七年、今の長泉寺町の「ソウリ谷」地籍から発掘され、現在は東京国立博物館に所蔵されている青銅経筒には、次のような言い伝えがある。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。