釈迦の臨終見舞
どんな伝承か
お釈迦さまが涅槃に入るという時、娑婆中のありとあらゆる動物が沙羅双樹の下に集まって嘆き悲しんだ。雀は知らせを受けたときお歯黒をつけている最中だったが、口を拭う暇も惜しんで駆けつけた。雀の口のあたりに黒いものが残っているのはそのお歯黒の跡で、真っ先に来た褒美に何でも初物を食べてよいと言われたので、麦でも粟でも稲でも一番先に飛んできて食べるのだという。また急ぐ蛇を蛙がせせら笑ったので、今でも蛇は蛙を尻から呑み込む。百足は足が百本あって草鞋を履き終わらぬうちに釈迦が亡くなったので、うまいものにありつけないのだという。
原典より
お釈迦さまが、涅槃に入ってしもうて臨終やという時、娑婆(しゃば)中のありとあらゆる動物達が、お釈迦さまのおられる沙羅双樹(そうじゅ)の下に集まって、なげき悲しんだがやと。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史)
『鹿島町史 通史・民俗編――伝説』は、鹿島町の町史通史・民俗編のうち、昔話と伝説の節と、続く「俗信と俚諺」の冒頭を収めたものである。石動山麓と邑知地溝帯の集落で聞いた話を、芋掘り権兵衛や屁売りじいさなどの昔話、亀塚や椀貸穴などの自然伝説、初瀬の観音様や井田の不動滝の信仰伝説、久江の道閑や村境を決めた話の歴史伝説に分け、在所名を添えて載せる。伝承の状況や語り始めと結びを述べた解説を前に置く。