漂着した島で九皿食べた東方朔
どんな伝承か
九人の男が漂流して島にたどり着く。島のあばらやに住む老人が、赤ん坊のようなものを料理して勧めた。七人はそれが何か知っていて食べない。料理の最中、寝ていた東方朔だけがそれを食う。老人は、七人のうち庚申待はしないが講に来て話をする男には食べるよう勧め、東方朔と同じく寝ていたもう一人は日頃庚申待を怠っている男だからと放っておくという。誰も食べないので東方朔は九皿分を食べた。赤ん坊に見えたのはフケツの貝といって、一皿食うと千年生きる食べ物であった。東方朔は九千年生きたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。