二歳児を連れて入れぬ伊香保の湯
どんな伝承か
伊香保の湯には、二歳の子を連れて来てはならないという言い伝えがある。起こりは詳らかでないが、昔から二歳児を伴うと病にかかるといわれた。そのため子連れの客は宿に着くと、主人にこの子をもらってくださいと頼み、主人はすぐに承知したという。こうして子は入浴のあいだだけ一時の養子となり、帰るときに縁を切る形をとった。今も土地の年寄りはおおむねこの言い伝えを知っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。