常陸に三十三社ある吉田神社
どんな伝承か
茨城県内には日本武尊を祭神とする吉田神社が三十三社あり、その多くが水戸より北に置かれているという。水戸市青柳には東征を記念して建てられたという東征神社があり、鹿島郡旭村の矢神神社は尊が馬を降りて休んだ場所、真壁郡大和村の御船神社は船から馬に乗り換えた場所と伝える。中心となるのは水戸城の南、吉田朝日山に鎮座する吉田神社で、常陸国三の宮とされる古社である。水戸の徳川光圀もこの神に深い関心を寄せ、弘道館記に日本武尊を慕う一節を残したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。