嫉妬の刃に斃れた仏御前と原風
どんな伝承か
仏御前は生まれ故郷である能美郡原の里へ帰り、草庵を結んだ。仏門に入ったとはいえ十七歳の美貌であったため、いつしか村の男たちが訪ねるようになり、里の女たちの嫉妬を買って、ついに妬みの刃に倒れたという。仏御前を殺した祟りで、里の女が産をするときには必ず大風が吹き、雷が激しく鳴りわたるといわれた。里人はこれを原風と呼んで恐れ、戸障子を閉め、屏風を立てまわして出産するようになったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。