木滑で産をした仏御前と産石
どんな伝承か
旧吉野谷村で語られる仏御前の話。瀬戸まで来たところで産気づき、村人に休ませてくれと頼んだが断られた。木滑へ向かう途中、梅を干す老婆に梅を分けてくれと頼んで拒まれ、それ以来木滑には梅が実らなくなったという。木滑では路傍の石にもたれて産をする彼女を見かねた老女たちが蚊を払い、取り上げを手伝った。礼に一里四方から蚊を絶ち、この村の娘が父無し子を産まぬようにしたと伝える。春先のなまぬるい風は原の女が子を産んだしるしでボンボ風と呼ばれた。洪水でも産石だけは流されず、医者が酒二升で譲り受けて運ばせようとしても石は少しも動かなかったという。産んだ清盛の子は石ト丸といい、祀る小祠を石トウ神様と呼ぶ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。