夕立に駆け込んだ笠寺の観音堂
どんな伝承か
『東海道名所記』は笠寺を転輪山竜福寺の名で記している。観音の霊場であり、笠をかぶった観音の木像が安置されているので、世に笠寺と名づけたのだという。開帳は三年ごとに行われると伝える。旅の途中で夕立に遭った男が観音堂へ駆け込んで雨を避け、白雨に濡れまいと急ぐ雨宿り、笠寺をさしてまず入ったことよ、と詠んだ句を載せる。刀部村の左手五、六町ほどの所には海が見えたとも記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。