耳の病を癒す八面大王の耳塚
どんな伝承か
穂高町耳塚には、高さ一・五メートル、直径一〇メートルほどの饅頭形の塚があり、その上の祠は大塚様として祀られ、毎年四月に例祭が行われる。八面大王の耳を葬った塚だと伝えられ、耳を病む人が参ると治してくれるという。拝殿には、小指ほどの太さで長さ六、七センチのうつぎの木片に竹を差した、錐のような形のものが数多く供えられている。耳の病の人はそれを一本借りて帰り、悪いほうの耳をほじくると病が治るといわれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。