斑紋の浮いた広瀬川の夜叉竹
どんな伝承か
川上の集落から広瀬川の岸を二十町ほど登った所に、夜叉姫が使った杖から根を出したという竹があった。一面に竜のような斑紋があったからそう言い伝えられ、夜叉竹と呼ばれる。文化四年の大洪水で絶えたというが、他へ移し植えたものは今も村内に茂っている。また川上の村から六町ほど下流には筬掛という字名が残り、夜叉姫が木の枝に筬を掛けたことに由来するという。藤橋村横山の上流で徳山川と広瀬川に分かれるが、広瀬川が洪水のたびに川の中央へ白砂を集めるのは、夜叉姫が機を織りながらこの川を遡ったためだといわれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。