大水が運んだ夜泣石と大石の地蔵
どんな伝承か
旧上郷村の字別府、金沢橋のたもとの田の中に大きな石があり、夜泣石とも子泣石とも呼ばれている。承徳五年の未の大水で野底川が溢れたときに流れ着いた石で、その下敷きになって赤子が死んだという。以後、夜ごとに石の下から幼な子の泣く声が聞こえるようになったので、里人は哀れんで供養のための観世音を建てた。今もこの観音に願をかければ子どもの夜泣きが治まるといわれ、土地では大石の地蔵と呼び習わしている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。