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棟梁の魂が化した本堂鳥

所在地兵庫県三木市吉川町福吉(小屋寺)
年代伝承(口承)
登場大工棟梁、鳥
出典日本伝説大系 第8巻

どんな伝承か

福吉の小屋寺の本堂は室町初期の建築と伝えられ、のちに重要文化財となった。七間四面のこの堂を建てたときの話である。梅雨どき、工事が半ばの頃、大工の棟梁が高い熱を出して倒れ、そのまま息を引き取った。妻や弟子が葬儀の相談をしていると、青白い小鳥が一羽、棺の中からすっと飛び立ち、本堂の方角へ去った。棺を改めると中は空で、白い装束だけが残っていたという。工事の首尾が気がかりで棟梁は鳥になって見に行ったのだと、人々は執念に驚いた。以来、梅雨の頃になるとどこからともなく鳥が来て、本堂の屋根で「本堂建てたか」と鳴く。村人はその声を聞くと、今年も本堂鳥が来た、棟梁の魂が戻ったと語り合いながら田植えの支度をする。

原典より

〈高木―「不如帰」〉小屋寺の本堂は室町初期の建物といわれ、昭和二十七年七月重要文化財に指定された。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。

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