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魚津の浜に出た濡れ女と牛鬼

所在地島根県大田市静間町魚津
年代伝承(口承)
登場中屋政五郎
出典日本伝説大系 第11巻

どんな伝承か

石見の牛鬼は夜、海から出るものと伝えられ、日中は姿を見せないという。明治の少し前、大田市大田の新市、今の雪見町に染物屋の職人中屋政五郎がいた。釣りが道楽で、毎晩八キロ離れた静間の魚津の海岸へ通った。牛鬼が出る前には海から濡れた女が赤児を抱いて現れ、抱いてくれと頼む。手袋かアシナコを手にはめて受け取り投げ捨てねば命が危ういと、年寄りに聞かされていた。ある朧月夜、その女が現れたので、政五郎はアシナコを手にはめて赤児を受け取り、女が海へ消えると投げ捨てて走った。真黒い体と光る眼が追ってきたが、五、六百メートル先の家へ飛び込み押入れに隠れた。牛鬼は家を駆け回り、取り逃がして残念だと言って去ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。

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