驕りが招いたおんぷく田の不作
どんな伝承か
八流の山田という所の、今は国道が通っている北側の谷の上に、おんぷく田と呼ばれる田があった。たいそう広い田で、米が十俵は取れるほどで、稲もきれいな色の籾がなったという。ある日、その稲を刈っているところへ遍路が通りかかり、よく稔った稲だと褒めた。すると作り主は、これがおんぶくにするほどもありませんと答えた。そのとたん、あれほど稔っていたはずの稲が、刈っても軽く、こいても籾がたまらず、すっても米が出なくなった。通りかかったお大師さまの仕業だと言われたという。
原典より
八流に山田という所があるが、今は国道が通っちゅうが、その北側の谷の上に、おんぷく田というて、昔からそう呼ばれいう所があった。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。