サツキの花が証した下女の無実
どんな伝承か
日土町の分限者の家で、さつきという下女が銀のかんざしを盗んだと疑われた。泣いて無実を訴えても誰も信じてくれず、さつきは世をはかなんで井戸に身を投げた。翌年、大掃除のとき畳の裏からかんざしが出てきた。その後この家では女中が変死するなど妙なことが続き、占い師に見てもらうと無実の罪で死んださつきの祟りだという。妻が庭のサツキの枝を地面に挿し、本当に隠したのでないなら花を咲かせてみよと言って水をやると、やがて蕾がつき見事に咲いた。家の者は詫びて小さな祠を建てて祀った。これが日土町のさつき神さんの始まりである。
原典より
昔、日土町のある分限者の家でのこと。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。