移転を拒んだ清少納言の霊と清塚
どんな伝承か
仲多度郡琴平町の琴平宮、仁王門の下の鼓楼の傍らに古い塚があり、清少納言の塚と伝えられている。宝永の頃、鼓楼を造営するためこの塚を他所へ移そうとしたところ、担当者の夢に官女が現れ、自分は清少納言の霊であるから塚を移すなと告げて一首の歌を詠んだ。驚いたその人が小さな塚を設けたのが清塚である。霊夢を見た家は告の茶室と呼ばれて今に伝わり、傍らには天保十五年撰の高松藩学士友安三冬の塚碑がある。なお大麻村岩崎には、老後に讃岐へ来た清女が衣を掛けて憩ったという清少納言の衣掛松がある。出典は『讃岐の伝説』第一集。
原典より
<柳田――「告の茶屋」>琴平宮仁王門の下、鼓楼の傍に古墳がある。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。