銀杏の梢に揚げる綾部の麻旗
どんな伝承か
綾部八幡神社では毎年七月十五日に旗上げの行事がある。九千部山の隆信沙門が風水害を防ぐため法華経一万部の読誦を祈願したことに由来するという。もとは二・六メートルもの旗を上げたが、いまは銀杏の梢に三五センチほどの麻の旗を上げる。旗は一四歳未満の少女か六十歳以上の老女が一夜のうちに織り、長さ十八メートルの竹竿の先に付けて、さらに三八メートルの大銀杏へ揚げるのだと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。