櫓に座した万寿姫と黒髪山の大蛇
どんな伝承か
二条天皇の御代、肥前国有田の庄に大蛇が現れ、白川ノ池をねじろに田畑を荒らしたと伝えられる。領主の後藤高宗は鎮西八郎為朝らと三千余人で黒髪山を囲んだが討ちもらした。武雄・黒髪の両明神の告げに従い、池の中央へ櫓を組んで美女を置く策をとると、盲いた母を養う万寿姫が犠牲を申し出る。永万元年六月朔日、櫓に端座する姫を呑もうとした大蛇を、高宗が眉間に、為朝が右の目に射当てた。竜門の岩屋へ逃れた蛇は谷を転げ落ち、盲僧の行慈坊にとどめを刺されたという。姫は生きて母と再会し、いまは高瀬の里に万寿観音として祀られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。