青黄竹の林と蛭児の垂迹地
どんな伝承か
この社は蛭児の神が最初に垂迹した地であるという。社の左の道下には老いた機樟樹があり、枝葉が繁っている。これが奈気木森と呼ばれる所で、大隅の名所である。蛭児は三歳まで足が立たなかったので、伊弉諾・伊弉冉の二尊が静かな地へ遊ばせようと天磐の樟船に乗せ、順風に放ったところ、ついにこの所へ漂着したという。蛭児の乗った舟はこの地で自然に根を生じ大木となった。奈気木とは、父母が脚の立たぬことを歎いて放ち棄てたことから名づけられたと伝える。稀樹のあたりは一面の竹山で、青黄竹と名づけられ、蛭児が船を操った櫂が根を生じて竹林になったのだともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。