磐屋の閼伽水から生まれた瑞照
どんな伝承か
沙門の知通が草庵を結び、孝徳帝の大化五年に磐屋の草堂で聞持の法を修していた。そこへ南極仙とも塩土翁ともいう仙翁が来て、薪を採り水を汲んで師に仕えた。あるとき一頭の麋鹿が来て閼伽の加持水を飲み、身ごもった。翌白雉元年の春二月十八日の辰の刻、鹿がふたたび草庵に来ると、金色の光が地に昇り、黄の雲が庵を覆い、林は花を咲かせ、鳥はやわらかに鳴いた。半月が巌に現れ朝日が照らすなか、鹿の口から美しい神女が生まれた。同時に一人の天仙が湯浦山で産湯を汲んで来て神女を沐浴させ、数百の瑞相が現れたので、御名を瑞照と称し奉ったと記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。