朱面をかぶる一丈余の大人弥五郎人形
どんな伝承か
的野正八幡宮は富吉村にあり、正祭は十月二十五日である。この祭日には社から申酉の方へ四町余り、路傍の御手洗池のそばに仮殿を設け、三つの神輿を守って下る。これを浜殿下りといい、儀衛には旧来の式がある。中の神輿を第一と定めた。また大人弥五郎と呼んで、朱の面をかぶり大小の刀を佩いた一丈余りの人形を作り、四輪の車に乗せて十二、三歳の童子が大勢で行列の先を押す。上古に大隅の隼人を征討した故事によるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。