かっぱ祭を止めた和気清麻呂
どんな伝承か
牧園の中津川は、道鏡の怒りにふれた和気清麻呂が流された地とされる。この地には稲積の翁という義人がいて、自らの貧苦を忘れて清麻呂を慰めはげました。清麻呂が流された七六九年の秋、雨が長く降りつづいて止まなかった。こうした時には「かっぱ祭」といって村人から金を取り、村中で一番の美少女を買い、その娘をかっぱの嫁にすると称して中津川に沈める習わしがあった。この人身供犠をしないと中津川は大洪水になるというのである。だが実は村の悪役・巫女・長老たちの共謀で、村人をだまして金をまきあげ、少女をさらうたくらみであった。祭りの当日、稲積の翁と清麻呂は役人や巫女の頭を川に投げこみ、村人にたくらみを教え、堤防を築き、貧しい人たちに農具を与えたという。中津川犬飼には和気神社と和気の湯、中津川荒田には稲積翁の碑がある。
原典より
現在の牧園中津川が道鏡の怒りにふれて和気清麻呂が流された場所であるとされる。—— 日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。