朝日どんと篠原どんの宝比べ
どんな伝承か
奈良の国に朝日どんという武士と篠原どんという武士がいた。朝日どんは七つの倉に宝を蓄え、篠原どんは十二人の子を持っていた。両者は宝比べをすることになり、朝日どんは七つの倉の宝を大八車に積んで見せたが、見物人は篠原どんの子供たちの芸に見入り、篠原どんの勝ちとなった。悔しがった朝日どんは神に参り子を授かるよう祈願し、女の子が生まれた。だがその子は七つで父を失い、十四の歳に仙台の長者へ大蛇の生贄として買われてしまう。しかしお経の力によって娘は助かり、家も栄えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。