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城址で鳴く厚東判官の黄金の鶏

所在地山口県宇部市厚東
年代伝承(口承)
登場今橋杏園、厚東判官、報告者
出典日本伝説大系 第10巻

どんな伝承か

長門国厚狭郡厚東村に、昔、厚東判官の居城であったという城址がある。今は石が転がるばかりで城跡とも判らない。判官には子が無く、金銀宝玉の類を集めるのを唯一の楽しみとしていた。あるとき家老たちに宝物を持ち寄らせて品定めをしたが、家老の兼村が男七人女七人の子を晴れ着で飾って連れてきたので、一同の目はそちらに奪われ、判官秘蔵の黄金の鶏も顧みられなかった。以来子を望んで中山の観音に願を掛け、十一で返す約束で女子を授かったが、別れがたく、恨んで尊像に矢を放った。まもなく城は敵に囲まれ、判官の一家は滅んだ。今も夜半になると城址に犬や剣の音が聞こえ、暁近くには城に埋めてある金の鶏の鳴く声が聞こえるという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。

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