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神鴉が導いた厳島神社の鎮座地

所在地広島県廿日市市宮島町(厳島神社)
年代伝承(口承)
登場佐伯鞍職、市杵島姫命、山辺、田心姫命、湍津姫命、鞍職の近くで船に乗っていた老人、厳島神社の祭神の一柱
出典日本伝説大系 第10巻

どんな伝承か

推古天皇の即位のころ、安芸の国の人々は大野瀬戸をへだてた海上に浮かぶ厳島を清らかな地として敬っていた。ある日、捕虜の取締役をしていた佐伯鞍職が船で大野瀬戸の釣を楽しんでいると、西方から紅の帆をあげた船が近づいてきて名を問い、その島を自分にくれないかという。船の中に気高い姫が乗っているのを見た鞍職は、ただの人ではあるまいと思って厳島を与えた。姫は自分は市杵島姫命だと名のり、御殿造営を頼んだ証拠として、都の空に不思議な星が現れ、笹の枝をくわえた鴉が天皇の御殿に入るだろうと告げた。鞍職が都に上ると果たしてその通りになり、天皇の許しを得た。次に社地を探して榎ノ浦・鷹ノ巣浦・腰細浦・青海苔浦と船をつけたが、どこも気に入らない。青海苔浦を出る時に粢団子を作って祈ると、番の神鴉が弥山の上から舞い下りた。後をついて行くと脇ノ浦の鳥の村の上空で飛び去った。やがてこの地に社が建ち、市杵島姫命・田心姫命・湍津姫命の三女神を祭って厳島神社が生まれたと伝えられている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。

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