猿喰の氏子参りと厳島神社の汐汲み
どんな伝承か
北九州市門司区の猿喰では、三月二十日に地区の者が連れ立って甲宗八幡神社と和布刈神社へ詣でる氏子参りがあった。厳島神社の祭礼は、新地と地蔵面の二社ともに六月十七日で、この日は大提燈を掲げ、笛や太鼓、チャンチキで道囃子を奏でながら煉瓦の浜まで練り歩き、そこで汐汲みをした。のちに新地の社へ集まって神楽を奉じ、持参の酒肴と弁当で祝宴を開く。地蔵面の社には本百姓が、新地の社には使用人が参ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。