毒酒で沈められた住吉御池の主
どんな伝承か
住吉の宮から子の方角に御池があり、その主を蛇王権現と崇めたという。池の大蛇は毎年二人の人身御供を求め、逃れる術がないので村では老人夫婦の娘が牲に定められ、大山村浜石門の土民は限りなく嘆いた。そこへ聖翁が来て仔細を問い、娘に似せた人形を作って小舟に乗せ、毒酒を入れた酒壺とともに御池へ浮かべて窺えと教える。夫婦がそのとおりにすると大蛇が浮かび出て頭を振り、毒酒を呑んで身をよじって苦しみ、竜気は天に昇り蛇体は水底に沈んだ。聖翁は我こそ住吉大神であると告げ、今後は生牲を掛けるなと言い残して消えた。それゆえ住吉を聖の宮とも称し、池の主を蛇王権現として祭るのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。