長里の大日寺と山中に現れた阿弥陀
どんな伝承か
長里村に鳳凰遍照院大日寺がある。地頭仮屋から辰の方角へ二里余りの真言宗大乗院の末寺である。由来記によれば、得仏公が鶴丸城中に阿弥陀如来を安置したのに合わせ、母堂の丹後局が寺を建てて遍照寺と名づけ、護持の精舎としたのが大日寺だという。局は本邑に遍照・光明・来迎・引接の四か寺を建てたと伝える。弥陀堂は寺の丑寅三町ほど、鶴丸城の旧址にある。御惣坊由来記には、北村の土民彦十郎が柴を採りに山へ登ると光明が輝いて仏像が現れ、秘して毎日鹿飯を供えていたのを局が聞き、人をやって見させると金色の阿弥陀如来であったので、堂を建てて安置し我が形代としたと記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。