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龍泉寺の釣鐘と日向の海賊

所在地広島県三原市(龍泉寺)
出典三原市史 第7巻 民俗編

どんな伝承か

ある商人が唐から故郷へ帰る途中、忠海の沖で嵐に襲われた。日ごろから観音を信じていた商人が無事を祈ると、龍泉寺の方角から光が差し込み、海はすっかり静まった。感謝した商人は釣鐘などを龍泉寺に納めた。のちに鐘の音を耳にした日向の国の海賊が寺へ忍び込み、鐘を奪おうとしたが、鐘はびくとも動かず、龍頭とイボだけをもぎ取って船へ戻った。すると海がにわかに荒れ、龍頭もイボも海の底へ沈んでしまった。海賊は手元に残ったイボ三つを国へ持ち帰ったものの、身の回りで災いが続いたため寺へ返し、その後は海賊の子孫がたびたび龍泉寺へ参ったという。

原典より

この商人は日ごろ観音を信仰しており、難に臨んで無事を祈願したところ、龍泉寺より光明が差し込み、海上はすっかり静穏となった。—— 三原市史 第7巻 民俗編 より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

三原市史 第7巻 民俗編

『三原市史 第7巻 民俗編』は、三原市の市史の民俗編のうち「三 伝説」の節だけを収めた部分で、番号を付けた十二の伝説から成る。糸崎八幡宮の神馬を祀った馬神塚、夜泣きの松、福島正則の命で伐られた大楠、山ん婆の足跡、蛇のヤムシロ、餅を搗かない家、干拓の人柱となった甚五郎など、市内各地の伝説を収める。各話の末尾に「書出帳」『三原志稿』『三原昔話』『沼田地方の伝説』や土地の伝承など、拠った資料を記す。

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