沼田祇園の胡瓜の禁忌と漁民の参拝
どんな伝承か
沼田の祇園神社の周りでは、胡瓜を食べてはならないとされていた。昔、祇園様が敵に追われて胡瓜畑に身を隠し、難を逃れたことがあったからだという。それ以来、祇園を信じる人々は胡瓜を口にせず、沼田神社の祇園祭りに胡瓜を食べてお参りした者には決まってたたりがあったと伝わる。この神社はかつて漁の神としても篤く信仰され、能地や二窓、忠海などの漁民が御神木のサカキの葉を海に浮かべて大漁を願った。祇園祭りの時期になると、漁民の舟がいく艘も連なって沼田川を上り、神社へ参ったという。
原典より
以来、祇園信者は胡瓜を口にせず、沼田神社の祇園祭りに胡瓜を食べて参拝する者があれば、必ずたたりがあったという。—— 三原市史 第7巻 民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
三原市史 第7巻 民俗編
『三原市史 第7巻 民俗編』は、三原市の市史の民俗編のうち「三 伝説」の節だけを収めた部分で、番号を付けた十二の伝説から成る。糸崎八幡宮の神馬を祀った馬神塚、夜泣きの松、福島正則の命で伐られた大楠、山ん婆の足跡、蛇のヤムシロ、餅を搗かない家、干拓の人柱となった甚五郎など、市内各地の伝説を収める。各話の末尾に「書出帳」『三原志稿』『三原昔話』『沼田地方の伝説』や土地の伝承など、拠った資料を記す。