長尾おぎおんさんの幟山と子供好きの神
どんな伝承か
小倉南区西谷長尾の八坂神社(祇園社)では五月五日に「おぎおんさん」の祭りがある。前日か当日の早朝に村の青年が幟山の台を引き出し、各家が五色の色紙で椿に似せて作った造花を持ち寄り、一間の幟旗二十本の間を造花や榊で飾る。昼過ぎには能行・長尾・祇園町・桜橋・溝尻・伊崎から同じ形の幟山六台が祇園社に集まり、神主のおみくじで順番を決めて担ぎ上げ、神移しののちお旅所で休んでから紫川の河原へ「お汐かき」に行き、夕方に戻る。この神は子供好きで、子供が屋根に上ったり御神体の石を持ち出して川で遊んでも叱らないが、それを咎めた大人のほうが病気や怪我をするといわれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。