福王寺に葬られた人丸姫
どんな伝承か
母あこやの病没ののち、人丸姫は叔父の長田季致に伴われてはるばる日向に下り、生目の草庵で盲目の姿となった父に会った。その後は読経と寺院の巡礼をして、平家と亡き母の霊を弔い、三十一歳の生涯をここで閉じた。父の影清は娘の死を悼み、山之口の六十田にある福王寺に埋葬するとともに、薬師堂を建てて人丸姫の霊を厚く弔った。それが今も福王寺の跡から西方百メートルのところにある古墓であるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。